みなさまこんにちは。たくしです。
最近は一段と冷えてきましたね〜!私はこの季節が一年で一番元気な時期です。(冬最高!)
そして来月にはアドベントカレンダーも!皆さんが何を書くのか楽しみです!✨
※(追記)記事内でGoogle Cloud Platformと書いてありますが、Google Cloudへの名称変更がされています!すっかり忘れていてそのまま書いてしまいましたが、略称GCPの方がわかりやすかったのでそのままにしました🙇
はじめに
さて、今回は備忘録的なブログです。
最近は主にFirebaseを使用したプロダクトの開発をしているのですが、
あまりFirebaseが何に適しているのか、Google Cloud Platformとの違いについてはあまり触れてこなかったので簡単にまとめてみました(タイポ警察の方は発見次第教えてください!)
新規プロジェクトの立ち上げや、既存プロダクトの機能拡張を考える際、「Firebaseを使うか、Google Cloud Platform (GCP)を使うか」という議論は避けて通れません。
これら二つは同じGoogleが提供するクラウドサービスですが、設計思想と得意分野が根本的に異なります。
本記事では、toBプロダクト開発の視点から、両者の違いを明確にし、プロジェクトのフェーズや目的ごとに最適なプラットフォームを選ぶための考え方をご紹介します。
1. FirebaseとGoogle Cloud Platform (GCP) の違い
FirebaseとGCPは、それぞれ異なる開発者を主要なターゲットとして設計されています。
📌 Firebase:モバイル・Webアプリ開発のための統合プラットフォーム
Firebaseは、「アプリ開発を迅速に、簡単に」をコンセプトに設計されたBaaS (Backend as a Service) です。
| 観点 | 特徴 | 具体的なサービス例 |
|---|---|---|
| ターゲット | モバイル・Webのフロントエンド開発者 | |
| 設計思想 | アプリに必要な機能をSDKとして提供し、ゼロ設定で即座に利用可能にする。 | Authentication, Cloud Firestore (DB), Hosting, Cloud Storage |
| 料金体系 | 基本的に無料枠が充実しており、そこを超えると従量課金(Blazeプラン)となる。 | |
| 学習コスト | 低い。フロントエンドのコードから簡単に呼び出し可能。 |
📌 Google Cloud Platform (GCP):大規模システム構築のためのクラウドインフラ
GCPは、Googleのインフラ技術をそのまま提供するIaaS/PaaS (Infrastructure/Platform as a Service) です。
| 観点 | 特徴 | 具体的なサービス例 |
|---|---|---|
| ターゲット | サーバーサイドエンジニア、インフラエンジニア、データサイエンティスト | |
| 設計思想 | サーバー、DB、ネットワーク、AIなど、必要なコンポーネントを自由に組み合わせて、フルカスタマイズされたシステムを構築する。 | Compute Engine (VM), Cloud SQL, Kubernetes Engine (GKE), BigQuery |
| 料金体系 | 細かいリソース(CPU、メモリ、ディスク容量、通信量)ごとに詳細に課金される従量課金。 | |
| 学習コスト | 高い。インフラ、ネットワーク、セキュリティに関する専門知識が求められる。 |
2. それぞれのプラットフォームで「できること」
両者は完全に独立しているわけではなく、Firebaseの裏側でGCPのインフラが動いています。
🔵 Firebaseでできること (開発・運用支援)
Firebaseは、アプリのライフサイクル全体をサポートする機能群を提供します。
- 高速なバックエンド機能の提供 (BaaS)
- 品質・成長支援
- Analytics: ユーザー行動の分析。
- Crashlytics: クラッシュレポートと品質モニタリング。
- Remote Config: アプリの内容を動的に変更する機能(A/Bテストなどに活用)。
🟢 Google Cloud Platform (GCP)でできること (インフラとスケーラビリティ)
GCPは、スケーラブルなシステムを構築するためのあらゆる基盤を提供します。
- フルカスタマイズなサーバー構築 (IaaS/PaaS)
- ビッグデータとAI
- BigQuery: 大量のデータを高速に分析するためのデータウェアハウス。
- Cloud Functions: バックエンドロジックを担うサーバーレス関数(Firebaseと連携可能)。
- Vertex AI: 機械学習モデルの構築・デプロイ環境。
Firebaseの簡単な歴史:独立系スタートアップからGoogleの主力サービスへ
Firebaseは、もともとGoogleが開発したものではなく、独立したスタートアップ企業によって生み出されました。
| 年代 | 出来事 | 概要と意義 |
|---|---|---|
| 2011年 | Encoreが創業 | Firebaseの前身となる会社が創業。当初はチャットAPIを提供。 |
| 2012年 | Firebaseに改名 | リアルタイムデータベース機能がメインとなり、「Firebase」として独立。開発者がサーバーサイドの同期処理(リアルタイム通信)を気にせずにアプリ開発ができる「BaaS (Backend as a Service)」の先駆けとして人気を集める。 |
| 2014年 | Googleに買収される | 創業からわずか2年でGoogleに買収され、Google Cloud Platform(GCP)の一部となる。この時点では、主にデータベースと認証機能が評価された。 |
| 2016年 | 大規模な製品ラインナップ拡充 | Google I/OでFirebaseがモバイル・Webアプリ開発プラットフォームとして大々的に刷新。クラッシュ解析、通知、アナリティクスなど、約15の新機能が追加され、「開発から成長、収益化まで」をワンストップで支援する現在の形に進化。 |
| 現在 | GCPとの連携深化 | Google Cloudのインフラ(Cloud Functions、BigQueryなど)との連携が強化され、より大規模で複雑なエンタープライズ級のシステムにも対応可能なプラットフォームとして位置づけられている。 |
初期の頃は主にリアルタイムデータベース機能を主軸に、買収後に様々な機能を統合したプラットフォームとして進化していったような形ですね!
3. 失敗しないための「使い分け」戦略
「どちらを選ぶか」は、プロジェクトのフェーズと要件によって決まります。
| 判断のポイント | Firebaseを選ぶべきケース | GCPを選ぶべきケース |
|---|---|---|
| 開発フェーズ | MVP (最小機能) 開発、プロトタイピング、PoC (概念実証) | 本番環境への移行後、大規模なスケーリングが必要な場合。 |
| データ要件 | リアルタイム性が必要なチャット、通知、単純なデータ構造の管理。 | 複雑な結合が必須なRDB(リレーショナルデータベース)、超大規模データ分析。 |
| チーム構成 | フロントエンドエンジニアが主導し、バックエンドのリソースが限られている。 | サーバーサイド、インフラ専門家がおり、フルカスタマイズで構築したい。 |
| 認証・認可 | ユーザー向けのシンプルな認証機能が必要。 | 既存のエンタープライズシステム(SAML/LDAPなど)と連携が必要。 |
| 費用対効果 | 無料枠内で収まるか、迅速な開発速度を優先したい場合。 | コストはかかるが、リソース利用率を最大限に最適化したい場合。 |
4. 【重要】無料で使える機能と注意点
FirebaseとGCPはどちらも強力な無料枠を提供していますが、利用規約の変更や隠れた前提条件があるため、注意が必要です。
A. Firebaseの無料枠(Spark Plan)
多くの機能が完全に無料、または無料枠内で利用できます。
| サービス | 無料枠の内容(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| Analytics, Crashlytics | 完全に無料 | 利用量に関わらず、すべての機能が無料で提供されます。 |
| Authentication | ユーザー数無制限 | 電話番号認証など一部機能で無料枠外の費用が発生。 |
| Cloud Firestore | 1GBの保存容量、1日あたりの読み取り・書き込みに制限あり。 | 小規模なプロトタイプ開発には十分な容量です。 |
| Hosting | 10GBのストレージ、月間360MBの転送量。 | 静的Webサイトや小規模アプリのデプロイに最適です。 |
| Cloud Functions | 月間200万回の実行呼び出し、コンピューティング時間にも制限あり。 |
B. GCPの無料枠(Always Free & 90日間トライアル)
GCPは主に2種類の無料枠があります。
- Always Free:期間制限なく無料で利用できるリソース(例:Compute Engineの特定のVMインスタンス、Cloud Storageの5GBなど)。
- 90日間無料トライアル:新規ユーザー向けに300ドルの無料クレジットが90日間付与されます。期間終了後、利用を続けるには課金プランへの切り替えが必要です。
C. 要注意:無料で使えても「Blazeプラン」が必須のケース
最も大きな「落とし穴」は、無料で利用を続ける場合でも、支払い情報を登録した「Blazeプラン」へのアップグレードが必要になるサービスがある点です。
今回の開発ではCloud Storage for Firebaseを使用しているのですが、導入途中でBlazeプランへのアップグレードが必要となってしまいました。
下記にもあるように、アップグレード後でも無料枠は変わらず利用できますが、プランのアップグレードの際にクレジットカードの登録が必要となるため、運用方法によってはネックになるかもしれません。
去年発表された時点では、既存のデータにアクセスをするためには2025年10月までにアップグレードが必要だったのですが、2026年2月2日までに延長されたようです。
(新規で作成するプロジェクトに関しては、Storageを使うためにはBlazeプランへのアップグレードが必須となります)
参考:https://firebase.google.com/docs/storage/faqs-storage-changes-announced-sept-2024
| サービス | 必須となるプラン変更の理由 | 影響 |
|---|---|---|
| Cloud Storage for Firebase | GCPインフラへの移行に伴い、Blazeプラン(従量課金)へのアップグレードが必須化されています。 | アップグレードしないと、既存のデータにアクセスできなくなる可能性があります。(無料枠は継続利用可能) |
| Cloud Functions | 無料枠を超えた場合、自動的に課金が発生する(Sparkプランのように制限で止まらない)。 | 無限ループや大量リクエストにより、予期せぬ高額請求が発生するリスクがある。 |
| BigQuery | 無料枠内のクエリ量は限られています。大量データを扱う場合はすぐに制限を超えます。 | 大規模なデータ分析を行う場合は、事前にコスト予測が必要。 |
連携も視野に入れる:ハイブリッド戦略
どちらか一方を選ぶのではなく、両者を連携させるハイブリッド戦略が最も強力です。
- フロントエンドとBaaS(高速化): FirebaseのFirestoreでリアルタイム同期を実現し、Web/モバイルアプリのユーザー体験を向上させる。
- バックエンドの複雑な処理: Firestoreへの書き込みをトリガーに、GCPのCloud Functionsを起動させ、Cloud SQLへの書き込みやBigQueryでの集計など、複雑で重い処理をGCP側で実行する。
この戦略により、開発初期はFirebaseで高速に進め、成長に応じてGCPで堅牢なインフラを構築していくことが可能です。
フロントエンドエンジニアとしては、Firebaseのように手軽にバックエンド機能を構築できるのは便利でありがたいです。 ただプロダクトの性質や規模感などを加味して比較・検討するのはやはり大事ですね。 個人的にはそこまでGCPを使った開発はあまりしたことないので、いろんな機能を試してみたいと思いました。(無料枠内で)
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参考リンク
FAQs about Cloud Storage for Firebase changes announced in September 2024
Free Trial and Free Tier Services and Products | Google Cloud
Google Acquires Firebase To Help Developers Build Better Real-Time Apps | TechCrunch