こんにちは。iimonで主にフロントエンドを担当しているたくしです。 まだまだ暑い日々が続いてますね、、引き続き皆様ご自愛くださいませ。
最近特に色々調べ物をしたり、読み物があったりと情報に触れる機会を今までよりも意識的に増やしているのですが、世の中ってものすごい量の情報が溢れているな、 と当たり前のことを日々思います。
インターネットやメディアなどの情報だけでなく、私たちは常にたくさんのリアルな物事とも対峙しているわけですが、常に意識的・無意識的なやり取りを行ったり来たりしているので何もしてなくても忙しい感覚に襲われることもあるような気がします。
やはり緩急と言いますか、必要な部分にのみ必要なだけの注意を払いつつ、でもテクノロジーの恩恵を受けたい。。今更便利を捨てるなどということこそが非現実的な日常になっています。
そしてそれがCalm Technologyという言葉が示すものでもあります。 Calm Technologyという言葉と出会ったのは最近なのですが、なんというかとても惹きつけられてしまいました。色々読んでみたり観たりしたりしたのでせっかくなら、と記事にしてみました。 Calm Technologyに関しては私も知り始めたばかりですので、こういうものもあるんだな〜というのを一緒に考えてみることができると嬉しいです。
Calm Technologyとは
Calm Technology(カーム テクノロジー)とは1990年代にMark WeiserとJohn Seely Brownによって提唱されました。 カームテクノロジーとは、
常にユーザーの注意の中心になるのではなく、自然と周囲・生活に溶け込むようにデザインされたテクノロジーです。(私なりの解釈です)
よく耳にする情報化社会、Attention Economyなどにも見て取れるように、私たちの日常は非常に多くの情報で溢れています。そしてその多くの情報はPC、スマートフォン、テレビなどの様々なテクノロジーを駆使し発信されています。 Calm Technologyは私たちとテクノロジーがストレスなく、そしてその有用性を消すことなく共存するための一種の考え方でもあります。
8つの原則から見るCalm Technology
サイボーグ人類学者であり、カームテクノロジーの第一人者であるAmber Case氏によって8つの原則が提唱されました。 (日本語訳はdeepLの翻訳を元に私の解釈で一部修正しています。)
Calm Technologyの原則
Technology should require the smallest possible amount of attention
テクノロジーは、可能な限り最小限の注意で済むものでなければならない。Technology should inform and create calm
テクノロジーは情報を伝達し、安心感を生み出すものでなければならない。Technology should make use of the periphery
テクノロジーは周辺(部)を活用するべきである。Technology should amplify the best of technology and the best of humanity
テクノロジーは、テクノロジーの良さと人類の良さを増幅させるものでなければならない。Technology can communicate, but doesn’t need to speak
テクノロジーは情報の伝達ができるが、話す必要はない。Technology should work even when it fails
技術はアクシデントやエラーが発生しても機能するものでなければならない。The right amount of technology is the minimum needed to solve the problem
適切な技術とは、問題を解決するために必要最低限のものである。Technology should respect social norms
技術は社会のルールを尊重すべきである
図では原則ごとに異なる例を挙げていますが、基本部分の考え方は一貫していると思います。 それは、テクノロジーは人間社会で、人間らしい生活を妨げることなく、日常の一部として生活を補助するべきである ということです。
テクノロジーの発展は私たちの生活の質をより向上させるという目的が主である上で、私たちがテクノロジーそのものに飲まれないようにするべきである。というふうにも捉えられるのではないでしょうか。
iimonでは、主に不動産業者向けにサービスを提供しており、不動産業者さんの日々の業務で活用いただいています。 業務の効率化、そして日々のルーティーンを崩すことなく、流れるようにiimonプロダクトを使ってもらえるようにユーザー体験を考えることは私たちにとって大切なことです。 あたかも当たり前のように使ってもらえるようなプロダクトを作る。それも一つのCalm Technologyの考え方とも言えるかもしれません。 少し飛躍した考えかもしれませんが、根本は同じような考えなのかな、なんて色々思いにふけった今日この頃でした。
参考資料
https://wired.jp/2021/01/21/calm-technology-mui-lab/
https://calmtech.com/papers/computer-for-the-21st-century
Calm Technology: Principles and Patterns for Non-Intrusive Design